TAANPO法人 繊維技術活性化協会

NPO Textile Technology Activation Association

2024.10.11 活動報告

第19回講演会~繊維産業の最近の話題から~を開催しました

2024年10月11日に、第19回目の講演会「繊維産業の最近の話題から」を京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパスにて開催した。理事長の挨拶に続き、福井大学工学系部門、物理工学講座の教授、浅野貴行氏から「マイクロ波を用いた廃棄物からの新しい資源循環」と題して、使い古し廃棄すべき状態となったプラスチック・繊維類の有効な処理法としてマイクロ波を照射することで水素ガスを生成させるとともに残りを特殊な触媒を用いることでカーボンナノチューブに変換する原理とこの技術を紹介いただいた。繊維製品の資源循環プロセスを構築する上で極めて重要な研究成果であり、今後の実用化展開が非常に楽しみな技術であった。

次に株式会社ミマキエンジニアリング、営業本部グローバルマーケティング部担当部長の林宏和氏から「さまざまな繊維に簡単にプリント 次世代捺染方式のご紹介」と題して講演いただいた。従来のインクジェット方式とは異なり、まず織物層に樹脂層を形成させ、この層内に温度と圧力を加えることで顔料プリントする技術で如何なる繊維にも対応できる大きな利点がある。多くのサンプルも見せていただき、聴講者は直接手に取って見ることができ、有意義であった。追加で日華化学と連携して進めるプリント製品の脱色技術「ネオクロマト」の説明もあった。

最後に、「繊維製品の資源循環システム構築について 付:最新の超臨界染色実用化」と題して本NPO理事長堀照夫が講演した。初めに、中国が独自に開発した超臨界染色の実用化について動画を含めて紹介された。月産4~5万トンを生産していると言う。その後、繊維製品の資源循環プロセスを目指す欧州および日本の取組状況を紹介した。使い古した繊維製品を大きな環境負荷を与えないように処理する必要があり、先行する欧州の規制状況とこれを参考に経産省が取り組む状況を紹介した。

今回の開催も関西方面を中心に30名を超える参加があり、いずれの講演にも高い関心をもって聴講いただいた。

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